更新日:2012年4月4日
耳鼻咽喉科・甲状腺外科について
当科では耳・鼻・のど(咽頭喉頭)・頸部の疾患を診療しています。
具体的には、耳科疾患(難聴、中耳炎、めまい、顔面神経麻痺など)、鼻科疾患(副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)、咽頭喉頭疾患(扁桃炎、咽頭喉頭炎、声帯ポリープなど)、頸部疾患(頭頸部良性腫瘍、頭頸部癌)などが挙げられます。
現在のスタッフは、常勤医5人(うち日本耳鼻いんこう科専門医3人)、属託医(日本耳鼻いんこう科専門医)1人の計6名であり、日本耳鼻いんこう科学会専門医研修施設、および日本頭頸部外科学会研修施設の認定を受けております。
外来診療は月曜日から金曜日の毎日午前中で、月・水・木曜日は外来担当医が固定しています。火曜日と金曜日は手術日で担当医が固定していないため、原則として初診と病状に変化のある再診のかたを診察しています。また、外来には検査専門スタッフを擁し、最新の測定機器にて、きこえ・めまい・顔を動かす筋肉・声の検査などの耳鼻いんこう科特有の検査を正確、精密に行い、その結果に基づいて診断・治療を行っています。
現在当科で特に力を入れているのが、甲状腺、副甲状腺疾患の外科治療です。地域の医療機関や院内(代謝内分泌内科、腎移植外科)より多くの患者様が紹介されています。
また、耳鼻いんこう科の悪性腫瘍を頭頸部癌と呼びますが、進行頭頸部癌に対する再建手術も形成外科や外科と合同で積極的に行っております。さらに、頭頸部癌の患者様の治療方針検討や治療後の経過観察を目的とした専門外来を、放射線治療科と合同で開設しています。
これらに加え、頭頸部良性腫瘍の手術や副鼻腔炎、鼻副鼻腔疾患に対する鼻内内視鏡手術、口蓋扁桃摘出術など一般的な耳鼻いんこう科で行われる手術も数多く行っています。
治療の緊急性を要する突発性難聴、顔面神経麻痺、めまいの急性期治療やときに致命的となり得る急性炎症性疾患も積極的に受け入れています。
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基本方針
- 患者様から信頼される医療と診療の質の向上に努めます。
チーム医療に心掛け、各診療科医師やコメディカルとも密に連携を持ち、安全でしかもガイドラインやエビデンスに基づく医療を行い、常に医学と医療の研鑽に励み最新の医療知識と技術に対する知見を修得します。 - インフォームドコンセントの充実を図ります。
患者様と御家族に病状や治療方針などについて分り易い言葉で丁寧に時間を掛けて説明し、同意を得た上で診療を行い、治療経過や結果についても十分に説明を行います。 - 地域医療を強化します。
常に地域病院や診療所と密に連携を取り合い救急の患者様や紹介患者様を受け入れると共に、症例検討会も定期的に行いお互いの意識を高めあいます。
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こんな症状、疾患を診ています
甲状腺がん
甲状腺は首の前方に位置し、甲状腺ホルモンを産生する臓器です。この甲状腺に発生する癌は、乳頭癌や濾胞癌など予後が比較的良好な癌が大半を占めますが、そのほか髄様癌や低分化癌、さらに予後が極めて不良な未分化癌などがあります。
甲状腺癌は幅広い年齢層に発生し、一般に男性より女性に多く認められるのが特徴です。症状は出現しにくく、前頸部のしこりを偶然自覚したり、検診で指摘されて受診する患者様が多いですが、進行すると声がかれたり、食事時にむせたりするなど多彩な症状が出現します。
診断には頸部の触診、血液検査、画像検査(超音波検査やCT検査)、穿刺吸引細胞診等を適宜施行します。癌と診断された場合、手術以外の根治治療法はありません。術式は癌の種類や病変の拡がり、頸部リンパ節転移の有無などから決定されます。術後、甲状腺ホルモン内服や追加治療(放射線治療など)が必要となることがあります。
甲状腺良性疾患
手術対象となる良性疾患には、濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫などがあります。病変が巨大で気管を圧迫し呼吸困難をきたす可能性がある場合や縦隔(胸の中の両肺に挟まれた領域)に進展している場合、美容上問題になる場合にも手術適応があります。また、各種検査を行い、癌(特に濾胞癌)との鑑別が難しい場合も手術適応となります。その他、内科的治療でコントロール不良な甲状腺機能亢進症に対し手術を行うこともあります。
【一般に甲状腺全摘術では副甲状腺もすべて切除されてしまうことが多く、術後に副甲状腺機能低下症(低カルシウム血症)を引き起こす可能性があります。当科では、出来る限り副甲状腺とその血流を温存するように努めています。やむなく切除する場合も、摘出した副甲状腺の一部を頸部などの筋肉に移植(自家移植)することにより、出来る限り術後の副甲状腺機能を温存するようにしています。】
原発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺は、血液中のカルシウム濃度を調節するホルモン(副甲状腺ホルモン)を産生する臓器です。通常、甲状腺の左右両葉の側面に2個ずつ、計4個あるとされますが、その個数や位置には個人差があります。
原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、高カルシウム血症を呈する疾患です。原因として、副甲状腺の腺腫(良性腫瘍)、過形成、癌があります。治療の原則は手術となります。病状により副甲状腺の一部を摘出する場合と、副甲状腺をすべて摘出する場合があります。
2次性副甲状腺機能亢進症
慢性腎不全などが原因で副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、血液中のカルシウム濃度が高くなる病気です。まずは内科的治療を行いますが、ある程度病気が進行した場合、手術療法などの治療を行う必要があります。
なお手術では、副甲状腺全的をめざし、手術後の副甲状腺機能低下症を予防する目的で摘出した副甲状腺の一部を頸部などの筋肉に移植(自家移植)する方法が一般的です。
頭頸部腫瘍・頭頸部癌
耳鼻いんこう科領域の腫瘍を頭頸部腫瘍といい、このうち悪性腫瘍を頭頸部癌と呼びます。代表的な頭頸部腫瘍には甲状腺・耳下腺・顎下腺腫瘍などがあげられます。一方、頭頸部癌は聴器癌・鼻・副鼻腔癌(上顎癌など)・口腔癌(舌癌・腔底癌など)・咽頭癌(上咽頭癌・中咽頭癌・下咽頭癌)・喉頭癌・甲状腺癌・原発不明癌・唾液腺癌(耳下腺癌・顎下腺癌など)などに分けられます。
頭頸部領域は他の部位に比べ衣服で覆われない部分が多く、さらに感覚器(聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚など)や呼吸・発声・嚥下など生命維持や人間が文化的生活を営むために必要な器官・臓器が集中しています。このため頭頸部癌の治療には根治性を高めると同時に、整容面や"生活の質"の保持にも心掛ける必要があります。頭頸部癌の治療では、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせ、患者様それぞれに適切な治療法を選択しています。特に進行癌の場合、手術は癌の十分な切除に加え、必要に応じて形成外科や外科と協力し、失った機能を取り戻すための再建手術を行い"生活の質"の低下を最小限に留めます。









